今回は、前回に引き続き、柏市への思いについてお話させて頂きたいと思います。
私が子どもの頃、手賀沼は「日本一汚い沼」と言われ、昭和49年以降、実に27年間連続で、全国の湖沼の中でワースト1の汚れ(※COD(化学的酸素要求量)の値)を記録するという状況でした。
今でも、私が子どもの頃に母が、「絶対に手賀沼に近づいてはダメ」と言っていたのをよく覚えています。当時の手賀沼は死んだ魚やゴミなどで溢れていて近づくだけでひどい悪臭がしましたので、そもそもそこで遊ぼうという気持ちさえ湧きませんでした。
こうした状況が、地域の皆様のご努力によって大きく変わりました。その結果、今では手賀沼でトライアスロン大会を開けるまでに状況が改善しています。
第一に、国が主体となって行った平成12年の「北千葉導水路」の本格稼働です。これにより、利根川の水を手賀沼に注水することで、手賀沼の水質の大幅な改善が図られました。
第二に、千葉県が主体となって行った手賀沼の「ヘドロ浚渫事業」です。手賀沼の底に溜まったヘドロを沼の外に掻き出すことで、水質悪化の原因となっている物質を除去することができました。
そして第三に、地域の皆様による長年の手賀沼周辺のゴミ拾いに係るご努力です。沼の周辺で捨てられるゴミには、ビン、缶、ペットボトルといった日常生活のゴミに留まらず、タイヤや漁業用の網、鉄パイプ、大型の布といった様々なものがあります。こうしたものを地域の方々が定期的に清掃することで、徐々に手賀沼の周辺からゴミがなくなっていきました。
柏市で生まれた私にとって、手賀沼は柏市を代表する自然の一つです。そして、多くの柏市民は、手賀沼と聞くだけで、「日本一汚い沼から生まれ変わった大事な沼」という感覚を覚えるのではないかと思います。これからも、私たちの誇りであり、カシワニのすみかでもある美しい手賀沼を守り抜いていきたい。そのために、生分解性プラスチックの普及・推進を始めとする環境政策にも、しっかりと取り組んで参ります。