今回は、前回に引き続きまして、松本いずみの政策についてお話させて頂きたいと思います。今回は、現在、注目を集めている「103万円の壁」の問題についてです。

そもそも、「103万円の壁」とは一体何でしょうか。これは、一言で言うと、年収が103万円を超えた場合に本人に所得税が発生することなどを指す言葉です。皆様もご存じの通り、こうした「壁」には、103万以外にも、106万、130万、150万の壁などがあります。以下に、それぞれの「壁」で何が起こるのかを簡単にまとめました。

❶ 103万円の壁
・本人に所得税が発生する。ただし、所得税は103万円を超えた部分についてのみ発生するため、これにより従前と比較した手取りが減るわけではない。
・親や配偶者が(特定)扶養控除や配偶者控除の適用を受けられなくなる。ただし、 配偶者については、配偶者特別控除により年収150万円までは配偶者の手取りは変わらない。
・企業によっては、「配偶者手当」などの手当が受けられなくなることもある。

❷ 106万円の壁
・従業員51人以上の企業で働く者で、労働時間が週20時間以上の場合には、厚生年金保険・健康保険の保険料負担が発生する。ただし、将来の年金額は増加する。

❸ 130万円の壁
・すべての働く者に社会保険料の負担が発生する。なお、主婦・主夫の方については、厚生年金に加入しない限り、保険料を納付しても将来の年金額は変わらない。

❹ 150万円の壁
・配偶者特別控除が減少し、配偶者の税負担が増加する(所得が201万円を超えると控除がゼロになる)。

今回、「103万円の壁」を撤廃する目的としては、大きく、①家計の手取りを増やす、②インフレへの対応、③主婦・主夫や学生が働く時間を調整しなくても済むようにする、という3つの目的があります。

①家計の手取りを増やす

皆様方の暮らしを守り、民需主導の経済再生を実現するためには、家計の手取りを増やすことが何よりも大事です。そのため、松本いずみは、「103万円の壁」を撤廃することが非常に重要だと考えています。ただし、それだけでは必ずしも十分ではなく、「103万の壁」の撤廃に加えて、持続的な賃上げや高齢者の年金額増に向けた、日本経済の成長力強化も必要です。

②インフレへの対応

今回、「103万円の壁」を撤廃する主眼の一つです。近時、物価が上がっていることから、所得税が発生する年収額を引き上げなければ、実質的には以前よりも所得の低い人に課税をしていることになってしまうためです。

③主婦・主夫や学生が働く時間を調整しなくても済むようにする

これも非常に大事なことです。ただ、主婦・主夫の方や学生が働き控えをする理由には「103万円の壁」以外の理由もあることから、松本いずみは、「103万円の壁」の撤廃にとどまることなく、「106万円の壁」や「130万円の壁」の撤廃も含めた、税・社会保障一体改革に取り組むべきだと考えています。

「103万円の壁」の問題については、この他にも、税収、特に地方財政に与える影響や、子どもがいる場合の扶養控除をどうするか、といった重要な論点がいくつもあります。複雑になることを避けるため今回のブログではそれらの点は述べておりませんが、また別の機会に財政や社会保障の問題についてもお話してみたいと思います。